栂池~鉱山道〜蓮華温泉~木地屋(白馬岳~栂海新道からコース変更)


2022年5月2日(月)~5日(木・祝) 栂池~鉱山道〜蓮華温泉~木地屋
栂池山荘から三国峠を経て雪倉岳避難小屋へ向かう予定だった3日は朝から強風で、予報に反して風が収まる気配はなかった。前日および当日未明の降雪、また寒さと強風という厳しい条件のもと、避難小屋まであとわずかという鉢ヶ岳の鞍部まで到達したものの、そこまで想定以上の時間がかかったこと、鉢ヶ岳を巻くトラバース道が雪に埋もれていたこと(その後に複数の男性パーティがトラバースのトレースをつけてくれたが)、翌日の長い行程に不安を漏らすメンバーがいたことなどを考慮して、蓮華温泉へのエスケープを決めた。夕暮れ前に標高2,100m付近にテントを張ってビバーク。翌4日、蓮華温泉まで鉱山道を辿る。鉱山道は残雪期にはルートを見失いやすいと地図に表記されているとおり複雑な地形で、地図とコンパス、GPSを駆使しながら誰ともすれ違うことなく、女性6名でひたすら歩いた。積雪期に鉄パイプの橋が撤去されていることも知らず、雪解け水で流れの早い瀬戸川に着いたときは唖然としたが、SLが渡渉しやすいポイントを探してくれたので膝まで浸かって強行突破。ピッケルを使って対岸の雪壁を這い上がり、ロープを固定して安全確保した。自然落石の散在するいやらしい雪壁をトラバースした後、ようやく蓮華温泉への標識を見つけて安堵する。そこからは山スキーのトレースをたどって蓮華温泉ロッジに到着。最終日5日は、ほとんど除雪されていない林道を6時間かけて木地屋まで歩き、途中で呼んだジャンボタクシーに乗って車をデポしていた親不知に帰着した。今回、目指した栂海新道を歩けなかったことは残念だったが、熟練者向きとされる残雪の鉱山道をルーファイし、テントと雪山装備を担ぎながら歩き通せたことは、メンバーそれぞれ自信になったと思う(事実、蓮華温泉ロッジの主人が驚いていた)。厳しい山行だったが、得たものは大きかった。(S.I.)
gpxトラックデータ(zipを解凍してください)

国土地理院の電子地形図(タイル)にGPSトラックデータを追記して掲載

 

 

 


栂池~鉱山道〜蓮華温泉~木地屋(白馬岳~栂海新道からコース変更) への2件のコメント

  1. 上田典子

    残雪期の北アルプスを縦走された、6名の女子会員の皆様!
    よく無事に帰ってこられました。この尊い経験を無駄にすることなく
    粘り強い登山をこれからも続けてくださいね。本当にお疲れ様でした。
    ツガミ新道を是非ともこのメンバーでトレースされますように、
    そして、困難に立ち向かう時の心構えをゆるぎないものに近づける
    努力を怠らないで前進されることを心から祈ります。

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  2. 岩本和代

    よくぞ6名ご無事で!実は夫がサマリーを読み「この判断はすばらしい!」と絶賛していたので私も改めて読んだ次第です。
    残雪期の強風、未明の降雪は私も20代の頃5月の飯豊で経験したのでなんとなくですがイメージできました。蓮華温泉へのエスケープはナイス判断!
    ルートを見失いやすい雪道で、GPS、地図とコンパスを駆使しながら、誰ともすれ違うことなく女性6名で突破!は臨場感あります。
    膝まで使っての渡渉はさぞ寒かったでしょう。それから6時間も、除雪されていない林道を歩行!!すばらしい体力と協力体制です。

    この経験と実績、技量をぜひ会で共有させていただきたいものです。改めてリーダー以下6名に敬意を表します。

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